「ハゲタカジャーナル」にご注意ください
2018.10.18
杏林大学図書館長 赤木美智男
本学の研究者や公式アドレスに、投稿料搾取が目的の「ハゲタカジャーナル」から寄稿を呼びかけるメールが頻繁に届いています。
「ハゲタカジャーナル(predatory or pseudo-journals)」とは、オープン・アクセス・ジャーナル(=ネット上で無料公開する雑誌)を装いながら、ずさんな査読で論文を掲載し、高額な投稿料を請求する粗悪な学術雑誌のことです。学術論文の無料公開化は研究者の発信力が高まりますが、出版社は読者から購読料を回収できない分を著者に論文掲載料(article processing charge:APC)として請求する仕組みになっています。この収入のみを目的とした業者が運営しているのがハゲタカジャーナルです。ほとんど査読をしないで掲載するため、論文の質は保障されません。そのため、研究成果に対する反応は期待できず、研究者の業績としても望ましいものではありません。
全てのオープン・アクセス出版社に問題があるわけではありませんが、大手出版社や有名雑誌に似せた名前などもあり、投稿の執拗な勧誘や高額な投稿料を請求してくるため注意が必要です。
信頼できる雑誌・出版社かどうかの確認は図書館で相談も受け付けます。研究成果を投稿する際には、下記のようなサイトを参考に慎重な検討をしてください。
【参考サイト】
Think,Check,Submit
(著者が論文を投稿する際のガイドラインを3つのステップにまとめています。)
http://thinkchecksubmit.org/
上記の簡易日本語版
http://thinkchecksubmit.org/translations/japanese/
【参考記事】
「粗悪学術誌:論文削除応じず 都立病院の投稿、手数料まで請求」(毎日新聞2018年10月15日朝刊)
「粗悪学術誌:対策に大学本腰 聞き取り、投稿ルール 掲載上位の名大、新潟大」(毎日新聞2018年10月10日朝刊)