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■□■杏林大学図書館ニュース■□■ 第62号 2026.7.27配信
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□Contents□
■ご挨拶■
■図書館からのお知らせ■
■お勧め図書■
■教員のひとりごと■
■編集後記■
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■ご挨拶■
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7月第2週あたりから一気に夏の日差しになりました。
過酷な季節の始まりですが、花火大会や夏祭り、かき氷やビアガーデンといった夏ならではの楽しいことも目白押し。寝込んでなんていられません。
医学図書館は夏の間も変わらずに、平日は8時半から22時半まで、土日祝日は9時から22時半まで開館しています。
季節感なく通常営業の図書館へ、どうぞクールシェアしにいらしてください。
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■図書館からのお知らせ■
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・学生対象の長期貸出実施中
学部学生対象、図書のみの長期貸出を行っています。どうぞご利用ください。
[医学図書館] 期間:7月10日(金)~ 9月2日(水) 返却期限日:9月17日(木)
[井の頭図書館] 期間:7月22日(水)~ 9月8日(火) 返却期限日:9月23日(水)
※どちらも9月卒業・修了予定者の返却期限日は8月31日(月)
・[医学図書館] 企画展示「実践力を磨く ー基礎からのステップアップ特集ー」開催中
基礎の理解から臨床で求められる実践力へとつなげるための、ステップアップに役立つ資料を展示しています。
解剖学などの基礎分野から、診断力・臨床判断力を養う実践的な書籍まで幅広くセレクトしました。
初学者の方には基礎固めとして、また、臨床実習や当直・診療を行う方には知識の整理やスキルアップのための一冊として活用できる資料を揃えています。
貸出も可能なので、ぜひお手に取ってみてください。
https://library.kyorin-u.ac.jp/blogs/blog_entries/view/172/d796c88d16a4a21b70ad6332e8b8e22f?frame_id=38807
・[医学図書館] 電子ブック企画展示:岩波書店「現代人の教養Plus」50冊を公開中
ブクログにオンラインの「電子ブック展示棚」を作成しました。
杏林大学にちなんだ「あんずの実」のアイコンが目印です。
スタート記念として、岩波書店「現代人の教養Plus」50冊を展示しています。
図書館の棚を眺める感覚で、スマホや自宅(リモートアクセス)から読みたい本を選んでみてください。
今後もテーマに合わせた企画展示を定期的に開催していく予定です。
※電子ブックは一度に読める人数に限度があります。エラー画面が出た場合は、少し時間を置いてから再度お試しください。
https://library.kyorin-u.ac.jp/blogs/blog_entries/view/172/41954a15f37663ab61122ca629d6f931?frame_id=38807
・[井の頭図書館] 8月の短縮開館について
井の頭図書館では8月4日(火)から8月17日(月)まで9:00-17:00の短縮開館となります。
・[井の頭図書館] 8/1(土)・8/2(日) 華道部「夏の作品展」開催
井の頭図書館2階リフレッシュルームで華道部の作品を展示します。
ご来館の際はぜひご覧ください。
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■お勧め図書■
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『宇宙へ「出張」してきます : 古川聡のISS勤務167日 / 古川聡, 林公代, 毎日新聞科学環境部著. -- 毎日新聞社, 2012.』
(資料ID:0007063100 / 請求記号:538.9:U29)
かつてソノラマ文庫のSF小説『クラッシャージョウ』(高千穂遙・著)のシリーズに夢中になった時期がありました。
人類が銀河へ進出した22世紀、様々な技術や専門知識を持つチームが、危険物の輸送、護衛や人命救助など、犯罪以外を請け負う「何でも屋」として活躍する物語です。
そんなSFの世界観を好んでいた私は、若田光一氏、野口聡一氏というエンジニアが宇宙飛行士として活躍する姿を自然と受け入れていました。
そのため約15年前、娘が1歳になる前日に「日本人3人目の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在員として古川聡氏が宇宙へ到着」というニュースを見たときは衝撃でした。
それまでの自分は、臨床の現場に存在する「医師」と「宇宙飛行士」がリンクしていなかったのです。
しかし、よく考えてみれば、人が宇宙で生きて働くためには、科学領域における医師の持つ知見はこれ以上なく有用で、卓越した説得力を持っていました。
そのことに深い感慨を覚えたのです。
本書は、劇的な「地球への帰還」から始まり、ISSでの宇宙「出張」のリアル、宇宙飛行士に選ばれてから滞在が決まるまでの地道な10年間を含む半生、そしてこれからの未来へと続きます。
特に心惹かれるのが、古川氏に宇宙の魅力を教えたお母様の思い出です。
アポロ11号の月面着陸を見て興奮した幼少期の姿や、家族恒例だったペルセウス座流星群の観測、そして小学4年生の古川氏が作ったユーモアと豊かな感性に溢れる詩など、微笑ましいエピソードが散りばめられています。
掲載されている写真は赤ちゃんの時からどれも穏やかな笑みに溢れており、極限環境を生き抜く強さの根底にある温かいお人柄が滲み出ています。
当時、「この子が大人になる頃には色々な職業の人が宇宙で働くのかも」と遠い未来を思った娘も今や高校生。
進路に宇宙はなさそうですが、「自分の専門性が未来のフロンティアに繋がる」というワクワク感は、娘にも、いま学ぶ学生の皆さんにもぜひ体感してほしいと思います。
本作は、未知の世界を知るスリリングな読み物であると同時に、極限状態でのチーム医療やリスク管理、宇宙医学というキャリアの可能性に触れられるプロフェッショナリズムの書でもあります。
自分の学問の先にある未来を広げるヒントに、ぜひ図書館でページをめくってみてください。(笹)
☆貸出状況はこちらから↓☆
https://v3opac2.kyorin-u.ac.jp/webopac/BB10234029
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■教員のひとりごと■ 図書館と私
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病理学教室から統合生理学教室への異動のタイミングで、医学図書館の運営委員を拝命した。
もともと私は図書館という場所が好きだった。
少し熟成した紙の匂いと静けさ。
どこか陽の光を抑えた空間に身を置くと、不思議と気持ちが落ち着いた。
私が通っていた高校の図書館も、そんな場所だった。
男子校だったこともあってか、館内はいつもどこか閑散としていた。
小説の棚にはそれなりに貸出の痕跡があったが、美術や音楽関連の本はほとんど動かない。
新品のまま時間だけが積み重なったような、きれいな背表紙が静かに並んでいた。
その中で私が見つけたのが、全27巻からなる『最新名曲解説全集』(音楽之友社)だった。
高校生の自分には少し背伸びをした本だったが、クラシック好きの私にはたまらない内容だった。
作曲家や楽曲についての細やかな評論が並び、ところどころに載っている楽譜を眺めていると、絶対音感のない私でもなんとなく旋律が頭の中に浮かんできた。
当時の私は通学時間が長く、友人たちが皆降りたあとも、一人で二十分ほど東海道線に揺られていた。
「ニルヴァーナいいよねー」「カート・コバーン最高っしょ!」という少し青くて騒がしいロックの話で盛り上がったあと、一人きりになったボックス席で読む全集は、誰にも知られない小さな秘密の時間だった。
私の高校の図書館には、杏林大学の図書館と同じように、日付を押印する一覧表が本の末尾に貼られていた。
全集の多くの巻は、私が借りたときに初めて貸出日付が押されるような状態だった。
そんなある日、一冊の巻を手にしたとき、ふと違和感を覚えた。
これまで見たことのない、わずかな手垢の跡があったのだ。
見てみると、私より三年前に一度だけ借りられていた記録が残っていた。
「こんな本を、自分以外にも借りる人がいたんだ」と、少し驚いた。
読み進めていくうちに、さらに小さな発見があった。
ある箇所に、鉛筆の線を消した跡が残っていたのである。
その印は、私が最も好きな曲の一つである「ラフマニノフ《音の絵》作品39-8」の譜例の上に小さな丸として付けられていた。
今ならSNSで「いいね」を押したくなるような感覚かもしれない。
しかし当時はそんなものはなかった。
ただ、品川駅が近づく夕方の東海道線の中で、「同じ高校に、同じ曲を好きな誰かがいた」という事実が、妙に嬉しかったことを今でも覚えている。
委員になってから、以前より図書館へ足を運ぶようになった。
先日、自分の生理学の勉強のために借りた寺尾教授の『解剖生理がわかる脳と神経をめぐる旅』は、期限票を見ると私を含めて六回も借りられていた。
病理学から生理学へ、何かの縁で導かれるようにしてここに来た。
本棚の前に立つと、そんなことをふと思う。
静かな棚の中で、誰かが興味を持ち、学び、また次の誰かへと手渡されていく。
図書館とは、本を介して時間を越えた人の気配に出会う場所なのかもしれない。
あの日の小さな共鳴を思い出しながら、今日も私は図書館に向かう。(統合生理学教室 林 玲匡)
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■編集後記■
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大切であるからこそ言えない、言いたくない。話したら途端にありきたりのものになってしまうかもしれない、大切なもの。
高校生の林先生が車内のボックス席で本を広げる情景が目に浮かび、胸がきゅっとなりました。
図書館とは、時を越えて本と人、人と人とを繋いでいく場所なのかもしれません。
鉛筆の跡があったというその箇所を手に取ってみたいと思い、居住地の公共図書館に『最新名曲解説全集』の貸出予約をしたのですが、実際に手に取るより先に先生から追いメールが。
「私も気になって該当巻と思われるものを古本で購入してみました」
先生の探求心・行動力にびっくりでしたが、ニルヴァーナとのギャップがまたいいですよね。
いま杏林大学図書館を利用されているあなたには、いったいどんな未来が待っているのでしょうか。
ではまた次号をお楽しみに。(清)
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