杏林大学図書館ニュース

杏林大学図書館ニュース第64号(2026.9.25)

投稿日時: 09/25 杏林大学図書館

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■□■杏林大学図書館ニュース■□■ 第64号 2026.9.25配信

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□Contents□
■ご挨拶■
■図書館からのお知らせ■
■お勧め図書■
■教員のひとりごと■
■編集後記■

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■ご挨拶■
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朝晩には心地よい秋の風が吹き抜けています。
キャンパスも活気を取り戻し、実りの秋へ向けて新たな学びをスタートさせる方も多いことと思います。
今期も皆さんを快適に支える場として、図書館をぜひご活用ください。
それでは、メールマガジン第64号スタートです。

 

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■図書館からのお知らせ■
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・長期貸出図書の返却をお願いします
夏の長期貸出で借りた図書をお持ちの学生の皆さんは、返却期限をご確認ください。
 ・医学図書館所蔵の図書:9月17日(木)
 ・井の頭図書館所蔵の図書:9月23日(水)
返却期限を過ぎている場合は、お早めにご返却ください。
※返却はどちらの図書館でも可能です。

 

・[医学図書館] UpToDateに生成AI機能が導入されました
臨床支援ツール「UpToDate」に新たに生成AI機能「UpToDate Expert AI」が導入されました。
質問に対し、信頼性の高いエビデンスベースのUpToDateコンテンツをもとに回答を生成してくれます。
個人アカウントでログインしてご使用ください。
https://library.kyorin-u.ac.jp/blogs/blog_entries/view/172/435d8056b83dbb0ef8a2b2bec5acf120?frame_id=38807

 

・[井の頭図書館] 10月の開館時間変更・臨時休館のお知らせ
10月16日(金) 8:30~18:00(18時以降構内立ち入り禁止のため)
10月17日(土)・18日(日) 休館(入試のため)
最新の開館情報は図書館ホームページのカレンダーをご確認の上、ご来館ください。

 

・[井の頭図書館] 10/10(土)10周年記念企画第2弾 講演会「ぼくが小説を書こうと思ったわけ」
井の頭図書館は、2026年4月1日に開館10周年を迎えました。
10周年記念企画第2弾として、外国語学部卒業生でライトノベル作家のムサシノ・F・エナガ氏をお招きし、講演会を開催します。
会場は井の頭図書館2階セミナー室です。
詳細はホームページのお知らせをご確認ください。
https://library.kyorin-u.ac.jp/blogs/blog_entries/view/172/bd1994602795533806205984ef37cd1b?frame_id=38807

なお、第1弾として関連著作展示を開催しています。
https://library.kyorin-u.ac.jp/blogs/blog_entries/view/172/a3c15d33ef1ef29edb988e79c6645c44?frame_id=38807


・[井の頭図書館] 10周年記念企画第3弾 展示「井の頭キャンパス10周年~井の頭キャンパスのあゆみ~」
井の頭キャンパスは、2016年4月1日に八王子キャンパスから移転しました。
10月1日から、移転当時の写真や資料を通して、井の頭キャンパスのあゆみを振り返る展示を行います。
ご来館の際は井の頭図書館2階展示コーナーにぜひお立ち寄りください。


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■お勧め図書■
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『医療未来学者の父が医師になる娘へ語るこれからの医の世界 / 奥真也著. -- 講談社, 2026.』
(資料ID:0010453256 / 請求記号:W100:I67)

 

新入職員だったころに教育係として私を指導してくれたのはベテランの司書でした。
大学で教わったことは図書館司書として働く上で大事な基礎でしたが、それだけですぐに一人前の仕事ができるはずもないので、図書館業務を一から教えてもらいました。
また、社会人としてのお作法や心構えもそれとなく教えてくれました。
社会人としての私の育ての親です。
彼女にそう伝えた時には笑って否定されましたが、今でも「恵まれた出会いだった」と感謝している恩人です。

 

人生で成長していくには先輩からの良きアドバイスが欠かせないと思いますが、医学部で学んでいる学生の皆さんには、この本が参考になるのではないでしょうか。
先輩から後輩へ送るメッセージは世の中に数多あれど、こちらの本は医師の父から医学部生の娘へ送る人生指南の書です。
著者は放射線科医師として大学病院で働いた後に、臨床を離れて核医学の研究者となり、その後に製薬会社の社員へとまた転身し、現在は「医師、医療未来学者」という肩書を持つ方です。

例えばこんなアドバイスをしてくれます。

 

「医師免許取得は目的ではなく手段」
国家試験合格は通過点に過ぎず、その先で何を成し遂げたいかを考える必要がある。
医学部に入学したからといって必ず医師になる必要はなく、将来は何になってもいい。
医師免許は勤務医・開業医として診療をするには必須の道具だが、研究者になってもいいし医療関係の起業家になってもいいし、他にもやりたいことがあるならやればいい。

 

「医学部で学ぶ間に医学全体の地図を手に入れる」
医師になったらいずれかの診療科を専門に持つことになることが多いと思うが、医学部生のうちに医学全体の地図を頭に入れておけば、多様な可能性を探求することができる。
また、自分の専門を相対化して見ることができ、他分野との協働が可能となる。

 

「やってきたことを定期的に振り返る」
目の前の診療や研究に一生懸命に取り組むことも大事だが、5年に一度など定期的にやってきたことを振り返ることも必要。
それにより今後の5年後10年後に向けて軌道修正をすることができる。
長期的なビジョンを持つことが必要。

 

などなど。
医師でなくとも自身の専門や職業に当てはめて「なるほど」と思わせるアドバイスではないでしょうか。
視野を広げてくれる、背中をそっと押してくれる、将来が少し明るく見えてくる、そんな本です。(ふ)

 

☆貸出状況はこちらから↓☆
https://v3opac2.kyorin-u.ac.jp/webopac/BB10234504


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■教員のひとりごと■ 図書館と論文と鉛筆メモの思い出
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医学部生物学教室の平井と申します。
学生の皆さんは楽しい夏休みを過ごされたでしょうか?
忙しい大学生活の中で、好きなことに集中できたり何かに挑戦できたりする貴重な時間ですね。
今回、こちらのコーナーへ寄稿する機会をいただき、わたしの大学生の頃を思い出してみました。
よろしければお付き合いください。

 

今から35年前、わたしが京都で大学生になり、図書館で最初に借りた本はフランス語文法の入門書です。
第二外国語で選択したフランス語は、少人数で会話中心のとても楽しい授業でしたが、耳から入る情報だけでは理解が難しく、図書館で参考書を探しました。
この本のおかげで何とか前期試験に合格できました。
テスト明けの夏休みには海外旅行に出かけました。
まずは近場へと神戸からフェリーで上海へ渡り、知り合いの先生を訪ね、その後中国を鉄道で移動しました。
小学校の教科書で習った『スーホの白い馬』が印象深く、最後に内モンゴルの草原でパオ(移動式住居)に宿泊するツアーに参加しました。
その時に買った馬頭琴の置物は今でも家に飾っています。

 

4年生になり遺伝学の研究室へ入ると、実験を計画して行う楽しさを知り、関連する論文を読むようになりました。
まだ電子ジャーナルが無く、研究室や図書館で専門誌の必要なページをコピーして持ち帰っていた頃の話です。
自分の大学で目的の文献を入手できないことも多く、図書館共通閲覧システム※を利用して、その雑誌を所蔵する他大学の図書館を自転車で巡っていました。
 ※学生証を持っていけば他大学の図書館を自由に利用できる、京都の大学連携(大学コンソーシアム京都)の仕組みのこと

 

本メルマガ7月号で林玲匡教授の心温まるエッセイを拝読し、わたしにもクラシックにハマっていた時期があったな、と古い記憶が呼び起こされました。
ただし、こちらのクラシックは1900年代初頭に出版された遺伝学の“古典的な”論文です。
アメリカ遺伝学会発行の『GENETICS』第1巻(1916年)にCalvin Bridgesによる「遺伝の染色体説の証明」が載っています。
特別な機械など何もない時代に、変異体の表現型だけをもとにデザインされたエレガントな実験と深い考察に魅了されました。
また、1924年に出版されたフランス語の論文のコピーを留学生に助けてもらいながら読んでいたとき、図の横に薄い鉛筆書きのメモがあるのを見つけました。
コピー機すらなかった時代に、どなたかがこの雑誌そのもので勉強していたのでしょう。
わたしの心の中に、同じページを繰る先駆者の姿がありありと浮かびました。

 

大学院の終盤にあたる2000年ごろから雑誌のオンライン化が少しずつ進み、新しい号だけでなく古い年代の文献もPDFで入手できるようになりました。
現在、教育と研究を行う上で電子ジャーナルは欠かせず、多くの努力によって維持されている本学での恵まれた環境を、一教員として有難く利用させていただいています。
学生の皆さんから図書館で勉強しているというお話をよく聞きます。
図書館の空間と資料を活用して、学生生活をめいっぱい楽しんでいただければと思います。(生物学教室 平井和之)

【関連リンク】
Bridges CB. Non-Disjunction as Proof of the Chromosome Theory of Heredity. Genetics. 1916;1(1):1-52.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC1193653/


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■編集後記■
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今号では、これからの歩みをそっと照らすお勧め図書と、医学分館運営委員でもある平井先生からのひとりごとをお届けしました。
昨今、急激な円安や学術情報の価格高騰により、電子リソースを維持するための予算確保はかつてないほど厳しい状況が続いています。
それでも大学の環境を維持したいという強い想いで、委員の先生方と図書館スタッフは知恵を絞り、奔走しています。
書架に並ぶ本を手に取るとき。あるいはパソコンの画面から論文PDFを開くとき。
その出会いの向こう側にある、図書館のこだわりや熱意が少しでも伝わりますように。
深まる秋とともに、皆さんの知的好奇心を刺激する種をまき、その芽がいつか大きく花開くよう応援しています。(笹)

 

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